今回のひとこと
「教えるのではなく、見て学ぶ、体感して学ぶ」
「ものを大切にしましょう」
子どもの頃から何度も耳にする言葉ですが、本当にその意味を理解するのは意外と難しいものです。
一つのものを長く使うことも大切ですし、役目を終えたものを別の形で活用することも、ものを大切にする方法の一つだと思います。
今回は、剣道を通じて子どもに「ものを大切にする心」を伝えるきっかけとなった経験を紹介したいと思います。
自分の子ども時代を振り返ると…
正直なところ、親から「ものを大切にしなさい」と言われた記憶はあまり残っていません。
もちろん、どうしても欲しかったものを買ってもらった時は、「大切にしよう」と思ったはずですが、それがどれだけ長続きしたかは覚えていません。
むしろ印象に残っているのは、親の行動です。
例えば、着なくなったTシャツを切って掃除用の布として使っていた姿。
そうした何気ない日常を見て、
「ものは最後まで使うものなんだな」
と自然に感じていたように思います。
小手を修理した思い出
先日、子どもの小手に穴が開きそうになりました。
そこで初めて、見よう見まねで布を当てて補修してみました。
補修用のスエード生地は厚く、針を通すだけでも一苦労です。
不器用ながらも一生懸命縫い直していると、その様子を子どもがじっと見ていました。
修理が終わった小手を見て、子どもは
「かわいい小手になった!」
と喜んでくれました。
修理が上手だったかどうかは重要ではありません。
- 修理する姿を見せること
- 壊れたら直して使うこと
- 使うほどに愛着が湧くこと
そうした経験の積み重ねが、
「ものを大切にしたい」
という気持ちにつながるのではないでしょうか。
折れた竹刀はバーベキューの燃料に
剣道をしていると、折れた竹刀が少しずつ増えていきます。
皆さんはどのように活用されているでしょうか。
私の母は昔、使えなくなった竹刀を家庭菜園で再利用していました。
カーボン竹刀をトマトの支柱として使っていたのを覚えています。
我が家では、バーベキューの時に炭と一緒に竹刀を燃やします。
料理を美味しく仕上げるための燃料として、最後まで役目を果たしてくれるのです。
そうすると自然に、
「今までありがとう」
という気持ちが湧いてきます。
修理して使い続けることも大切ですが、別の役割を与えて再利用することも、ものを大切にする一つの形だと思います。
ものとの出会い
今はインターネットで簡単に買い物ができる便利な時代です。
ボタン一つで欲しいものが届きます。
しかし、手に入れるまでの過程もまた、ものへの愛着を育てる大切な時間なのかもしれません。
以前、竹刀を通販で購入したことがありました。
送料は無料でしたが、旅行のついでに、わざわざ出荷工場まで受け取りに行ったことがあります。
家から車で6時間以上かかる場所でした。
だからこそ、
「あの時、取りに行った竹刀だ」
という特別な思いが残っています。
少し手間をかけるだけで、その物への愛着は大きく変わるのかもしれません。
サインが宝物になる
百円ショップのノート。
大会でもらったパンフレット。
いつも使っている竹刀袋。
普段なら特別な価値を感じないものでも、憧れの選手のサインが入るだけで、一生の宝物になることがあります。
物そのものの価値ではなく、その物に込められた思い出や体験が価値を生み出すのだと思います。
このことについては、あまり説明はいらないかもしれません。
まとめ
頭で理解したことは、意外と忘れてしまいます。
しかし、自分で体験したことは長く心に残ります。
「百聞は一見に如かず」
という言葉がありますが、
さらに言えば、
「百見は一体験に如かず」
かもしれません。
ものを大切にする心も、言葉だけで教えるのではなく、
- 修理する姿を見る
- 再利用する経験をする
- 愛着の湧く思い出を作る
そうした体験の中で育まれていくものだと思います。
剣道に限らず、子どもたちが「ものを大切にしたい」と自然に感じられるような経験を、これからもたくさん作っていきたいと思います。
今回は、私自身が「ものを大切にする心」について考えるきっかけとなったエピソードを紹介させていただきました。
皆さんにも、ものを大切にしてきた思い出やエピソードがあれば、ぜひ聞かせてください。

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