本日のひとこと
「身体で竹刀を振ることで、肘の負担を減らす」
以前、肘の痛みとその対処法について書かせていただきました。
今回は、その続編として
なぜ肘に負担がかかるのか
そして
どうすれば負担を減らせるのか
について整理してみたいと思います。
小さい頃の野球の経験
小学生の頃、
「ストレートは投げてもよいが、変化球は中学生から」
と言われた経験があります。
今思うと、
まだ身体の使い方が十分に身についていない段階で
無理な投げ方をしてしまうと、
肘周辺に大きな負担がかかるためではないかと感じています。
「野球肘」という言葉があるように、
投手にとって肘の怪我は非常に大きな問題です。
その原因の一つとして、
腕の力だけで投げてしまうこと
が挙げられます。
もちろん他にも様々な要因がありますが、
身体全体を使って投げることで
・腕
・肘
への負担を減らすことができます。
剣道にも共通する身体の使い方
この考え方は、剣道にも共通しています。
腕の力だけで竹刀を振ってしまうと、
肘への負担が大きくなります。
その結果、
・肘の痛み
・違和感
・慢性的な炎症
につながる可能性があります。
そのため、
身体全体で竹刀を振るフォーム
を身につけることが大切になります。
身体全体で竹刀を振るについては、
前回の記事の「大きな素振り」を参考にしてください。
剣道で肘を痛めやすい場面
剣道で肘に負担がかかりやすいのは、
主に
面を打つ場面
特に
小さい面
を打つときに起こりやすいと感じています。
肘の関節は構造上、
180度以上は開きません。
無理な角度で負荷がかかると、
痛みの原因になります。
ケース①振り上げの時に負荷がかかる場合
刺し面のように、
低い軌道から竹刀を振り上げる際、
竹刀の上がろうとする軌道と
右手で押し込む力が交差すると、
右肘に負担がかかることがあります。
さらに相手に上から竹刀を押さえられながらの面はもっと負荷がかかります。
小さい軌道での振りかぶりは、
上腕の力だけで竹刀を上げてしまいがちになります。
その結果、
腕に頼った動作となり、
肘に負担が集中します。
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改善のヒント
振りかぶるときに
・背筋の動き
・肩甲骨を下げる動き
を意識します。(大きな素振りと同じ)
腕だけで上げるのではなく、
身体の大きな筋肉(丹田に近いところ)を使って振りかぶる
ことで、
肘への負担が大きく改善されます。
※相手に上から竹刀を押さえられたときに、無理に打たない事も大切です。
ケース②面を打った時に負荷がかかる場合
面を打った際、
通常は竹刀が相手の面で止まるため、
肘も自然に止まります。
しかし、
相手が面返し胴を狙っている場合など、
剣先が面より下まで流れてしまうと、
肘が無理に伸びてしまうことがあります。
この時に痛みが出ることがあります。
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改善のヒント
普段の大きな素振りの段階から、
打ち終わりの姿勢
を意識しておくことが大切です。
ポイントは
①打ち終わりで肩甲骨が背中で開いている状態
です。
イメージとしては、
ボクシングでストレートを打ったときの姿勢(猫背のような)に近い形です。
相手を真っ二つに斬るような意識で振り切ると、
上半身全体で打ち終わりを支えることができます。
その結果、
右肘だけに負担が集中することを防ぐことができます。
②打ち終わりの時に、雑巾を絞るように、両手(特に右手)の手の内を内側へ絞る
これについても、ボクシングでストレートを撃つときと同じく、
手首の回転を当る瞬間に内側に入れることです。
その回転により尺骨(しゃっこつ)と上腕骨の関節部分の開き方が縦方向から回転の斜め方向に変わり、
一定の方向部位だけの負担を分散化させることができます。
まとめ
スポーツのレベルが上がるほど、
正しい身体の使い方を身につけていないと、
特定の部位に負担が集中してしまいます。
その結果、
怪我のリスクが高まり、
長く競技を続けることが難しくなる可能性があります。
大切なのは、
普段からゆっくりとした動作の中で
いかに大きな筋肉を使えるか
を意識することです。
特に
・下丹田周辺(下腹・腹筋・背筋)
・中丹田周辺(胸骨付近の大胸筋や、肩甲骨付近僧帽筋など)
といった身体の中心部を意識することで、
腕や肘に頼らない身体の使い方につながります。
日々の稽古の中で、
少しずつ身体の使い方を見直していくことが、
結果として
怪我を防ぎ、技の向上にもつながる
と感じています。

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